“おとぎ話を生んだ森ドイツシュヴァルツヴァルト”

The beautiful colors I met on my journey.わたしが出会った、色の記憶。

《Clearginoスペシャルエッセイ企画》美容ジャーナリスト齋藤薫さんから届いた2通目の手紙。世界を旅し、さまざまな美を見てきた彼女の《緑色》の記憶。

ESSAY #002

白雪姫に、シンデレラ、赤ずきん、そしてラプンツェル……誰もが読んだことのあるグリム童話は、今CG技術を惜しみなく使った映画の“ダークファンタジー”として次々に甦っている。白雪姫だけで何作も制作されるほど。恐ろしいほど美しい、グリム童話のミステリアスな世界観と言うものを、CG映画はこれ以上ないほど劇的に、またどこかリアルに表現してくれるのだ。 「本当は怖いグリム童話」と言う本が出版されたほど、本当のグリム童話は確かに子供が読むような、可愛らしいものではない。でもそれだけにちょっと危険な神秘性の中に私たち大人は改めてぐいぐいと引き込まれていくのだ。

そんなグリム童話が生まれたのは、19世紀のドイツ。そして舞台となったのが、中世の「黒い森」である。言うまでもなく魔女が出てきたり、狼が人間を装ったり、小人の家があったり、どこに足を踏み入れても森の精たちがさざめいているような、グリム童話の中の森は、すべてドイツのシュヴァルツバルトの「黒い森」からインスパイアされたものなのだ。 文字通り、針葉樹が生い茂ることで濃密な深緑色に見えた奥深い森は、いかにもそうした物の怪が潜んでいるよう。かつては一度迷い込んだら二度と出て来られないような魔性をその森自体が宿していたと言われる。

そんなグリムの里に心惹かれて「黒い森」に行ったことがある。残念ながら第二次世界大戦後の酸性雨によって「黒い森」の多くが失われていたが、その環境破壊にドイツは国を挙げて復活に勤めていて、今は光の差し込むむしろ心地よい森林になっている。けれども、本来が緑豊かな土地。永遠のおとぎ話を生んだことがわかるだけの、不思議な命の息吹を感じることはできた。 じつは“森林浴”もドイツの森林から始まったもの。こちらの樹木はとてもエネルギッシュで、本当に生きている主張をひしひしと感じさせる。まだ春が来ないうちから、青葉が芽吹き花が咲いてしまうほど、肥沃な土壌がそこにあり、だから育つ植物もなんだか力強いのである。目一杯の深呼吸で細胞が生き返るくらい。

そして、朝ドイツの街を散歩すると、小ぶりだが艶々の赤いリンゴを直接ほおばりながらオフィスや駅への道を急ぐ通勤途中の若い女性に出くわすことが何回もあった。彼女たちにとってそれはかけがえのない朝食なのだろう。 リンゴといえば白雪姫、もちろんあれは毒リンゴだったけれど、そういう小道具に使われるくらい、リンゴは人々の生活に根ざしていて、美しさと健康の糧なのだ。「リンゴ医者いらず」と言われるように、これほどバランス良く栄養素を宿した果物はないくらい。 そんなリンゴの幹細胞エキスを配合した集中クリームがある。そこには大変希少な、アルガン幹細胞エキスも加わり、植物の命のエネルギーをそっくり取り込むような処方が、細胞の生まれ変わりをしっかりとサポートくれるが、それこそ細胞レベルで植物の呼吸が感じられるほど。 植物の生命力は、私たちが考えている以上に強靭だ。過酷な冬に芽吹きの準備をするのは大変なエネルギー。その生命力をそっくり借りることができるとしたら、すばらしいこと。 だから、森のさざめきを思い出しながら、またリンゴをほおばる若い女性の溌剌とした表情を思い出しながら、今夜もこのクリームを塗って寝る。森の神様が降りてきますように、と願いつつ。

AUTHOR

齋藤 薫(さいとう かおる)
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『“一生美人”力』(朝日新聞出版)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。近著に『されど“男”は愛おしい』(講談社)がある。